スポーツドリンクや炭酸を飲むと歯が溶けるって本当!?

Q.スポーツドリンクなどのイオン飲料や、炭酸飲料を飲むと、歯の表面は溶けるの?

A.さっそくですが、答えです。

スポーツドリンクなどの清涼飲料水は酸蝕症の原因になる!
※酸蝕症…口の外から入ってきた酸や胃液によって歯の両面のエナメル質が溶けること
しかし、頻繁に飲んだり、口にためてから飲んだりする習慣がなければ影響は少ない。

「いつも運動した後にスポーツドリンクを飲む」
「勉強や仕事のリフレッシュに炭酸を良く飲む」
「子どもが甘い炭酸が大好きで口の中によく含む」
そんな方は注意が必要です!気を付けるポイントまで解説していきますね。

 

「歯が溶ける」って?

エナメル質が溶けるpHは約5.5以下と言われています。イオン飲料や炭酸飲料はpH3程度が多いです。

確かにこれらの低いpHの液体に歯を長時間入れると、歯の表面が溶け 穴が開き、カルシウムなどが溶けだします。怖いですね…これが虫歯の原因となる「脱灰」という状態です。

 

若い人は酸蝕症が多い?

酸蝕症の患者さんは全体の25~60%と報告されています。
実は、酸蝕症の患者さんは歯周病など他と比較して、15~34歳の若い方が多いのです。
参考:Lussi, A., Schaffner, M., Hotz, P. and Suter, P. (1991) Dental Erosion in a Population of Swiss Adults. Community Dentistry and Oral Epidemiology, 19(5), 286-290

この原因は主に飲料物によると考えられています。
研究によると、
清涼飲料水を週に4~6本以上飲んだり、スポーツ飲料を週に1本以上飲んだりする場合、
飲まない人と比べて酸蝕症のリスクは4倍になると報告されています。
参考:Jarvinen, V.K., Rytomaa, I.I. and Heinonen, O.P. (1991) Risk Factors in Dental Erosion. Journal of Dental Research, 70(60), 942-947.

 

飲まない方がいい!?

では、絶対飲んではいけないかというと、そこまでの必要はありません。
確かにイオン飲料や炭酸飲料に歯を長時間入れると、歯は溶けだします。
でも、現実的に酸性飲料を口に含んで長時間そのまま…という訳ではありません。

口の中は常に唾液で湿っていますよね。
炭酸飲料などpH3程度の酸性の飲み物を飲んだ時、唾液が口の中を素早く中性に戻してくれます。
そのため、唾液の分泌が正常であれば、歯が溶けるリスクはそこまで高くないのです。

 

注意することは?

先ほどリスクは高くないと言いましたが、酸蝕症の方は年々増加しています。
この原因は飲み方やタイミングの影響が大きいと考えられています。

イオン飲料や炭酸飲料については、下記に気を付けましょう。
・口の中にためてから飲まない!
・ちびちび飲まない!
・頻繁にイオン飲料や炭酸飲料ばかり飲まない!
・寝る前に飲まない!
歯に接触している時間が長いと酸蝕症のリスクは上がります。
また、寝ている時は唾液が少なくなるので、寝る前に飲むのは避けると良いでしょう。
唾液の分泌が低下している方ももちろん注意が必要です。

 

まとめ

酸蝕症は自分では気づきにくい病気です。
スポーツドリンクや炭酸が好きなあなたや、お子さんの歯は大丈夫でしょうか?
虫歯になって歯が痛くなる前に早めに対応しておきましょう。
今の歯がどんな状態か検診でしっかり確認して、いつまでも健康な歯で楽しく過ごしましょう!

参考:高柳篤史, 相田潤, 遠藤眞美, 佐藤涼一, 鈴木誠太郎, 山岸敦(『セルフケア指導 脱! 誤解と思い込み』株式会社創英、2021年、p.21-24)