ラバーダム防湿とは
ラバーダム防湿とは、治療中の歯をゴム製のシート(ラバーダム)で覆い、周囲の環境から隔離する方法です。歯の根管治療(神経の治療)やむし歯治療の際に、治療部位を清潔に保つために使用します。
治療したい歯だけが見える状態になり、その他の歯や舌、頬、唾液などに触れないで治療ができるということです。このような方法のことを、「ラバーダム防湿」といいます。
ラバーダム防湿のメリット
治療の精度が向上
患者の舌や頬の内側の粘膜が治療の邪魔となる場面はよくあります。ミラーなどで抑える方法もありますが、ラバーダムで防湿することでその必要性もなくなります。その結果、術者が治療に集中し治療精度の向上が図れます。
感染リスクを軽減
唾液には、たくさんの細菌が含まれています。患歯以外をゴム製のシートで覆うラバーダム防湿を実施すれば、根管内への唾液が流れ込むことがなくなり、不要な感染を防止できるのです。
舌や頬を保護
治療中に器具が舌や頬に当たるリスクが減り、安全に治療を受けられます。
薬剤や異物の誤飲を防止
根管治療では、針のように細くて小さい器具を使用します。それを誤って口腔内に落としてしまうと、誤飲や誤嚥を引き起こす可能性が出てきます。ラバーダム防湿下であれば、そのようなアクシデントは起こり得ません。
なぜ全ての医院で使われていないのか
特別なトレーニングが必要
ラバーダムの正しい使用には、歯科医師とアシスタントのトレーニングが必要です。
セッティングに少し時間がかかる
ラバーダム防湿をセッティングするには慣れていると5分もかからないのですが、頻繁に使用せず慣れていない先生だとセッティングするだけでも多くの時間を使ってしまい、治療時間の確保が難しくなります。
コストがかかる
保険診療では行った処置に対して、それぞれに診療報酬というものがありそれにより歯科医院は収入を得ているのですが、「ラバーダムを使った」ことに対する診療報酬は現状ありません。
ですのでラバーダムを使用している医院では無償で使用しているということになります。
当院がラバーダム防湿を選ぶ理由
根管治療の成功には、治療中に余計な細菌感染を起こさないことが大切です。細菌感染は、お口の中の唾液から直接感染したり、医師の手や器具に付着した唾液から感染したりといった経路があります。
ラバーダム防湿を使用していない歯科医院では、お口の中にコットンを入れたり吸引機を使って唾液を吸い取ったりという方法を行います。しかし、この方法では治療したい歯周辺を無菌状態にはできません。
当院では、精度の高い治療を提供するために、必要に応じてラバーダム防湿を積極的に導入しております。特に根管治療では、感染予防の観点からラバーダム防湿の使用を推奨しています。
「より安心で確実な治療を受けたい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。